教室推薦のCDと演奏家のお話


御父兄の方々からよく「どのCDを買えば良いのか?」と質問されることがあります。ということで、先生方からもどんなCDを推薦すればよいのか質問されることがあります。1枚、1枚のCDのベストセレクションを作ろうと思ったのですが、私が所有しているのは殆んどがレコードで、CDに焼き直おされているのどうかを調べるだけでも、大変な時間と資料が必要です。しかし、御質問を受ける事も大変多く、そうそう皆様に御迷惑もおかけ出来ないので、とりあえず、私が個人として推薦出来る演奏家達をピックアップしてみることにしました。

一つだけ注意をしなければならないということは、
「優れた演奏家といえどいつでも、或いは全てのジャンルで、優れた演奏をするということでは無い。」ということです。例えばウイニヤフスキーのスケルツオ・タランテラなどで本当に楽しそうに演奏するパールマンですが、最近録音したBachの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは、ちょっと問題が有ります。(あくまで私の個人的見解ですので、悪しからず!)
又、私個人的に大好きなグルミョーですが、上記のBachの無伴奏ヴァイオリン・ソナタもシェリングの名演奏と双璧を成すほどです。所が今度買ったDVDの無伴奏は残念ながら良い演奏とは言えませんでした。つまり録音の時期で名演奏の時とたいした演奏でないときとあるのです。こればっかりは名演奏家といえど人間であるから、仕方の無いことだ、といえます。

ということで、名演奏と名録音(昔の録音は聞くに堪えられないものが多かった。)があります。そういったものは沢山本が出ていますので是非参考にされてください。

同様なことは、名ピアニストとして知られるマルタ アルゲリッチがよく知られています。気分が乗ったときには、神がかり的な名演奏をするのですが、いったん気分が乗らないと、演奏会も平気ですっぽかすは、演奏途中で「気分が乗らない。」と言って帰っちゃうは・・・・フアンの人も良くそれを知っていて、逆にそれを楽しんでいる・・・Proとはいつなんどきでも常に同じ水準の演奏が出来る人のことを言う、ということを信じている私には、芸術家という人種は理解できないので「いくら名演奏家と言えど許せない」ということでミュンヒェンでの演奏会でのチケットを会場の外で自分の分のチケットは手に入れたのだけど、奥さんの分のチケットが手に入らず、あまったチケットがないかを聞いて回っているかわいそうな??人に、プレゼントしてしまいました。





ピアノ
浪漫派のピアニスト達
はっきり言って、ここに私が列挙しているピアニスト達は、音大では、先生方も含めて、誰も知らないか、知っていたとしても極めて評判が悪いかどちらかです。
現代に求められる演奏とは全く異なる演奏だからなのです。
逆に言えば昭和の20年代の私にとっては今の若手演奏家の演奏は心を和ませてはくれません。
逆に、音楽の原点が古き良き時代にあるような気がするのは、私の懐古趣味でしょうか?
いや、私が求めている音楽がそこにあるような気がします。
一人一人の演奏家については本文の中で紹介いたします。

高校生の私にクララ ハスキルの演奏は深い衝撃と感銘を与えました。クララ ハスキル
    世紀の女流ピアニストですが、不治の病との闘いの一生でもあったのです。演奏活動をしては闘病生活を送るという繰り返しの連続でした。彼女の素晴らしい精神的な演奏は彼女自身の苦痛に満ちた人生を反映したものに相違ありません。往年の名ピアニストルビンシュタインが天下の名ヴァイオリニスト・シェーリングを世に紹介して広める手助けをしたようにクララ ハスキルも若いヴァイオリニストのグリュミヨーを世に送り出します。そのグルミョーとの共演のモーツアルトのソナタのレコードは二人の名演奏家の醸し出す人間性の暖かな雰囲気に満ちています。
しばらくお待ちください。

しばらくお待ちください。エドウィン フィッシャー
しばらくお待ちください。コルトー
しばらくお待ちください。サンソン フランソワ
しばらくお待ちください。ジョルジュ シフラ
しばらくお待ちください。イエルク デムス
私がまだ高校生時代に、長崎の町のレコードショップで流れていたピアノの音楽、それはイエルク デムスの弾くリストのハンガリア狂詩曲でした。その年に何のコンクールだかに入賞した時の演奏だそうです。感想はただ、「すげ〜!」でした。ということで、いまだにそのレコードは持っていませんがその時に買ったレコードはシューマンの「ダウィッド同盟舞曲 作品6とソナタ 第2番 ト 短調が両面にプレスされたレコードでした。若くして超、美男子で貴公子然としたデムス先生にお会いしたのは、残念ながらドイツ留学の時でもウィーンに遊びに行った時でもなく、何と帰国して30を過ぎたあたりで大学出教えることに失望して、自分の教室を作るかどうかで悩んでいる時でした。最初はなんとなく入った公開レッスンの会場で偶然お会いしたわけです。芸大や桐朋の学生さん達をつかまえて「du!du!」の連発にはチョット参ってしまって、幾つか意地悪な質問をしてしまいました。自分が憧れていた貴公子のようなピアニストがリヒター教授のようにチョット赤提灯タイプだったのにはショックでしたから。その反動です。しかし、中年オッサンタイプのデムス先生も相変わらずピアノの前に座ると人間的で温かい、素晴らしい演奏をします。
どうして・・・・・????



勉強のBGMとして
勉強でBGMとして音楽を聞きながら勉強することはいいのかしら。とかいう質問を昔からよくされたことがあります。音楽をBGMとして使うこと自体には問題はないのですが、勉強そのものの能力を上げるためには音楽のスタイルと勉強の科目をあわせる必要があります。計算問題などは快適さとスピードのある曲が脳を活性化させるのに都合がよいと思われますが、集中を必要とする科目はバッハのように内省的な曲の方がよいと思います。


オルガンとチェンバロの大家達
しばらくお待ちください。ヘルムート バルヒャ
アントン ハイラー

    アントン ハイラーはオルガニストとして有名ですが、チェンバロ奏者としても非常に優れています。彼の演奏したヘンデルのチェンバロ組曲の第一集はどの演奏も本当に神がかり的な素晴らしい演奏です。私がまだ中学生の頃お昼の弁当代を節約して(お昼抜きで)ためたお金で買ったレコードで、その中の組曲第三番ニ短調は私をして、音楽家にならしめた運命の一曲であるといえます。その中のアリアと変奏は中学二年生のときに見た「0地帯」という映画の中で13歳ぐらいの美しい女の子がチェンバロのレッスンを受けていたその曲がそのままに流れ続け、家に帰る途中でも(彼女の運命を象徴するように、)楽しげにうきうきと家に帰る少女の気持ちとは全く正反対に、これから始まるであろう悲劇を象徴して何処までも救いようのない暗さで、そのアンバランスさがより強烈に少女の悲劇的運命を描き出して印象的でした。映画はコンセントラーガー(ナチの強制収容所)を描いた悲惨な映画です。



ヴァイオリン
グルミョー
私がまだ長崎の中学校に在学していた頃、自分のお昼の弁当代を貯めて、そのお金で初めて買ったレコードがグリュミヨーのチャイコフスキーとメンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルトが両面に入っているレコードでした。グリュミヨーは数少なくなってしまったベルギー派の巨匠です。ベルリンフィルの元主席コンサートマスターのシュバルベ教授と同じで、教室と同じメトードのヴァイオリン奏法を取る演奏家です。

室内楽
ビィーナー・コンチェルトハウス四重奏団

「ウイーン」という発音は難しいですね。ドイツ語(ウイーン語、少しバイエルン地方の方言が混じった)(バイエーリッシュといいますが・・)ではビーンの方が近い気がします。ビーナーの方が発音は近いのかな。少なくとも、ウイーナーと言ったらウイーン人ではなくて、多分勝利者になっちゃうかもね。



リコーダー
ハンス マルチン リンデ

   ドイツ留学中に友人のレコードを聴かせて貰って、すぐにレコードを手に入れようと思ったのですが、既に廃盤でそれから中古のレコードを探したり、35年位の経ってしまいました。何と、嬉しいことにそのレコードが再販されたのです。



参考までに
la folia
a la carte 
サイトが変わって「
芦塚先生のお部屋」のPageの中にある、「la folia」の解説ですが、「la folia オン・パレードのCD」を紹介しています。殆ど、初期のla foliaから、時代順にla foliaの様式の変遷を追って秀逸の演奏をしています。非常にお勧めの一品です。
Page自体は、生徒達に指導する時の解説も兼ねているので、かなり専門的な内容です。興味がお有りの方はご一読ください。







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