オータムクラシックコンサート 秋を纏う弦の調


第一部

1. パッヘルベル作曲:カノン

誰もが好きになる不思議な力を秘めたこの曲は、こちらの会場でもこれまで何度も

演奏し、お馴染みの曲です。

「カノン」とは、メロディーが追いかけっこする曲のこと。同じメロディーを

2小節ずれて演奏することで、とても美しいハーモニーをつくります。

 
2. 芦塚陽二編作曲:「かえるのうた」変奏曲(子供のためのピアノ三重奏曲集より)
 

こんどはかえるが追いかけっこしますよ!

3.いっしょにうたおう!! 「山の音楽家」で楽器の紹介
 いろいろな楽器が動物になって、楽器の音を紹介してくれるよ!

いっしょに歌をうたって、いろいろな楽器の音を聞いてみよう!

4.ヴィヴァルディ作曲:ヴァイオリンコンチェルト (Op.3 No.6 イ短調) この曲の詳しい解説
(芦塚先生のホームページへ)
 「コンチェルト」は、ソリストがいて、オーケストラが伴奏する曲のこと。

今日は、この曲が作られた時代の弾き方を再現する「ペリオード奏法」という弾き方で演奏します。

5.ヴィヴァルディ作曲:「四季」より「秋」(ヴァイオリン協奏曲 第3番 RV.293 ヘ長調)
 とても有名なヴィヴァルディの四季。この曲は、秋の収穫の喜びを表した、とても楽しい曲です。

2楽章になると、なんだか眠たくなってきますよ。

それもそのはず。農家のおじさんたちが、収穫のお祝いにお酒を飲みすぎて酔っ払って眠って

しまった音楽なのです。朝が来ると3楽章。みんなで元気に狩りにでかけます。

 ◆芦塚室内弦楽合奏団  
   
◆合奏団メンバー
澤田桃迦(Cello/Chembalo)〔小2〕 千野絢美(Piano/Contrabass) 〔小3〕
萩元美音(Violin) 〔小3〕 古川紗來(Violin/Viola) 〔小5〕
千野瑞希(Violin/Viola) 〔小5〕 森 真雅(Cello) 〔小5〕
荒谷 愛(Violin/Viola) 〔小6〕 川島綾乃(Contrabass)〔中1〕
七星ひかり(Chembalo/Violin) 〔中2〕 
鈴木花梨(Violin) 〔中3〕 太田千夏(Violin/Viola)〔高2〕
山本珠加(Cello) 〔高2〕 清水珠実(Violin) 〔大1〕
本田梨紗(Violin/Viola)〔大2〕 葛巻しおん(Violin/vocal)〔大2〕
斉藤純子(Violin) 〔講師〕 牧野由起子(Cello)〔講師〕
萩元美紀(Contrabass)〔講師〕
◆芦塚 陽二 指揮



第二部

1.モーツァルト作曲:アイネ・クライネ・ナハトムジーク (K.525 第1楽章)

今ではとても有名ですが、この曲が出版されたのはモーツァルトの死後36年もたってからのことで

した。さらに、有名になったのは19世紀に入ってからです。名作曲家の名曲ほど、時代がそれに

追いつくのに時間がかかってしまうということなのでしょうかね・・・。この軽快で誰もが楽しくなるよ

うな美しい曲は、13曲目のセレナーデとして作られ、のちにモーツァルト本人が「アイネクライネ

ナハトムジーク」という名前をつけました。この題名は、「小さな夜の音楽」という意味です。

.ヴィヴァルディ作曲:「四季」より「夏」 (ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 RV.315)    ソロヴァイオリン

第1楽章 かんかんと照りつける太陽。暑さで人と羊の群れはぐったりして

いる。松の木も燃えそうに熱い。カッコウの声とキジバトの囀りが聞える。

北風がそよ風を突然脇へ追い払う。やって来る嵐が怖くて慄く。

第2楽章 稲妻と雷鳴の轟きで眠るどころではない、ブヨやハエが周りに

すさまじくブンブン音を立てる。

第3楽章 嗚呼、彼の心配は現実となってしまった。上空の雷鳴と雹(ひょう)

が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。

   1楽章 古川紗來
   2楽章 千野瑞希
   3楽章 荒谷 愛
3.モン作曲:チェロ協奏曲 (ト短調 1楽章)   ソロチェロ/森 真雅

Matthias Georg Monnは、1717年生~1750年没、オーストリアの作曲家です。

主にウィーンで活躍し、オルガニスト、音楽教師としても有名です。レオポルト・モーツァルト(アマデウス・モーツァルトの父)といった同時代の人とともに、ウィーン前古典派という楽派を作り上げ、バロック時代の様式から、より緩やかで優美な様式を確立させ、後のハイドンなどの古典派を代表する作曲家への橋渡しとなりました。本日の演奏は、そういった時代背景を踏まえ、バロック奏法と古典派の奏法のちょうど中間をねらった奏法で演奏します。

4.ルクレール作曲:2台のヴァイオリンのためのソナタ  (Op.3 No.2 イ短調 1楽章) 
1ヴァイオリン/太田千夏

Jean-Marie Leclairは、1697年生~1764年没、フランスの作曲家で

あると同時に、ヴァイオリン演奏の巨匠であり、また、ダンス教師もしていました。ヘンデルの弟子ですぐれたクラヴサン奏者であったオラニエ公妃アンナに仕え、ハーグの宮廷で楽長として過ごしました。

本日演奏する二重奏は、バロック時代独特のステレオ効果が絶妙に活かされた作品です。

2ヴァイオリン/本田梨紗
.ウィニアフスキー作曲:華麗なるポロネーズ    (第2番 Op.21 イ長調) ヴァイオリン/古川紗來

Henryk Wieniawskiは、1835年生~1880年没、ポーランドのヴァイオリニスト兼作曲家です。8歳でパリ音楽院に入学し、13歳ですでに演奏家として広く欧米で活躍しました。ブリュッセル王立音楽院教授として教育活動に従事しています。情熱的な超絶技巧による華麗な演奏で知られ、その作品もまた名人芸的要素が際立っています。今回は13歳で演奏家として活躍を始めたウィニアフスキーよりも更に若い、11歳のヴァイオリニストがその作品に挑戦いたします。

ピアノ/七星ひかり
6.ラフマニノフ作曲 芦塚陽二編曲:ヴォカリーゼ   ソロヴァイオリン/太田千夏

ラフマニノフの代表曲のひとつ《ヴォカリーズ》は、もともとは《ソプラノとピアノのための歌曲集》(Op.34)

の最終曲です。ヴォカリーズとは歌詞を伴わずに母音だけで歌う歌唱法のこと。1916年2月の初演は

ソプラノ+オーケストラ伴奏版で行われましたが、その成功を受けてさらにオーケストラ単独版へと

編曲されました。現在ではプラノ独唱やオーケストラ以外にも様々な独奏楽器によって広く演奏されて

います。本日は憂いを含むこの美しい旋律をヴァイオリンが奏で、指揮をしております芦塚陽二が

編曲した弦楽オーケストラが伴奏いたします。深まる秋の趣を感じながらお聞きください。

7.芦塚陽二作曲:ヘンデルのサラバンドによるラ・フォリア ヴィオラ/本田梨紗

サラバンドは、12世紀にスペインで発生し、17~18世紀にヨーロッパの宮廷で流行したダンスです。スペインではカスタネットや鈴に合せて女性のみによって踊られました。17世紀に、フランスの宮廷バレエに取入れられ,ゆるやかで上品な舞踊に発展しました。ヘンデルがチェンバロ組曲のサラバンドの部分に、テンポやリズムが同じラ・フォリアのテーマを使用して作っています。今日では、「オペラ座の怪人」の中でこの曲が歌に編曲され、テレビ番組や映画にも取り入れられています。今日は、この曲にぴったりな深い音色のヴィオラ用に作曲したサラバンドをお聞かせいたします。

チェンバロ/萩元美紀
.ヘンデル作曲 芦塚陽二編曲:泣かせ給え (歌劇「リナルド」より) ヴォーカル/葛巻しおん

劇中でエルサレムのイスラーム側の魔法使いの囚われの身になったアルミレーナが、敵軍の王アルガンテに求愛されても愛するリナルドへの貞節を守るため「苛酷な運命に涙を流しましょう」と歌うアリア。「過酷な運命に涙し、自由に憧れることをお許しください。この悲しみが憐れみにより私の殉教者からの鎖を打ち毀してくれますように。」本日はしっとりと、弦楽器の伴奏で聞いていただきます。

9.ベラチーニ作曲:コンチェルトソナタ (ホ短調 1・2楽章) ヴァイオリン/斉藤純子

Francesco Maria Veraciniは、1690年生~1768年没、イタリア後期バロック音楽のヴァイオリニスト・作曲家です。名ヴァイオリニストとして知られるタルティーニが、がヴェラチーニの演奏を聴き、感銘のあまりにその演奏能力に嫉妬し、その後自宅に閉じこもり、何日も練習に励んだと言う伝説が残るほど、ヴァイオリンの演奏に長けた人でした。本日はベラチーニのヴァイオリンソナタの中でも特に有名な、晩秋によく合う名曲を選んで演奏いたします。

ピアノ/萩元美紀
10.スベーリンク作曲 芦塚陽二編曲:我が青春は既に過ぎ去り (オルガンの為の変奏曲集より)

Jan Pieterszoon Sweelinckは、1562年生~1621年没 オランダの作曲家・オルガニストです。

ルネサンス音楽の末期からバロック音楽の最初期に、音楽家としても教育者としても活躍し、1970年

代のオランダの25ギルダー紙幣に彼の肖像画が描かれるほどでした。

有名なオルガン曲《「わが青春は既に過ぎ去り」による変奏曲》は当時のドイツ民謡を主題として

作曲されています。本日のコンサートの中で一番古い時代の作曲家ですので、バロック初期の時代

の奏法を再現した「ペリオード奏法」で演奏いたします。古き良き時代にタイムスリップするような、

独特な純正の響きをお楽しみください。

11.ヴィヴァルディ作曲 2台のヴァイオリンの為のコンチェルト  (調和の霊感 Op.3 No.11 ニ短調) この曲の詳しい解説
(芦塚先生のホームページへ)

Antonio Lucio Vivaldiは、1678年生~1741年没、ヴェネチア出身のバロック後期の作曲家、ヴァイオリニスト、カトリック教会の司祭でもありました。先ほど演奏した「四季」が有名ですが、教会の孤児の子供たちに音楽教育を施す為に、各レベルの弦楽曲が作曲されており、その中にも数々の名曲があります。そこに目をつけた芦塚陽二氏が、ヴィヴァルディのコンチェルトを中心にそれらの曲をレベル順に編成しなおし、 芦塚メトードの子供たちの教育に取り入れています。

1ヴァイオリン/古川紗來
2ヴァイオリン/荒谷 愛




◆芦塚室内弦楽合奏団

芦塚室内弦楽合奏団は、芦塚音楽研究所附属音楽教室の講師と生徒達からなる合奏団です。

附属音楽教室では芦塚陽二氏の創設した「芦塚メトード」にもとづき、「楽しくて誰もが音楽が好きになり、上手になる」という世界的にも珍しい画期的な教育を行っています。

また、ピアノ・ヴァイオリン・チェロなど、どの楽器においても統一された教育法で指導しているため、幼児期から本格的なアンサンブル教育を行うことができます。したがって合奏団メンバーは高度なアンサンブルテクニックを身につけ、近年はペリオード奏法、古典派の奏法などを、時代に合わせて奏き分けています。「芦塚メトード」という同じ基礎の上に成り立っているので、ヴァイオリンとヴィオラ、ピアノとコントラバスというように同時に複数の楽器を習得することができ、早くから色々な楽器に慣れ親しんでいるのも芦塚室内弦楽合奏団の大きな特徴となっています。毎週日曜日、集団の中で楽しく学びながら、音楽の技術のみならずリーダー教育(指導法)、おもいやり、協調性を育んでいます。

 
◆合奏団メンバー
萩元美音(Violin/Viola) 〔小3〕 古川紗來(Violin) 〔小5〕
千野瑞希(Violin/Viola) 〔小5〕 森 真雅(Cello) 〔小5〕
荒谷 愛(Violin) 〔小6〕 川島綾乃(Contrabass)〔中1〕
七星ひかり(Chembalo/Piano/Viola)〔中2〕 
鈴木花梨(Violin) 〔中3〕 太田千夏(Violin)〔高2〕
山本珠加(Cello) 〔高2〕 清水珠実(Violin) 〔大1〕
本田梨紗(Violin/Viola)〔大2〕 葛巻しおん(Violin/vocal)〔大2〕
斉藤純子(Violin) 〔講師〕 牧野由起子
(Cello/Contrabass)〔講師〕
萩元美紀
(Chembalo/Piano/Contrabass)〔講師〕
◆芦塚 陽二 指揮